スクワットは自重でもウエイトを使ってもできる下半身トレーニングで多くの人に取り入れられている種目です。
また、スクワットはこれだけの認知度がありながら、正しいフォームでできている人が意外と少ないんです。
高重量を扱えるだけにフォームもかなり大切になってきますので、この記事では特にスクワットの正しいやり方について詳しく解説していきます。

スクワットで得られるものとは?
人間の体には約206の骨が組み合わされ、その骨に約600の筋肉が付いています。
その中で下半身の筋肉は全体の70%を占める量を持ちます。
筋肉を使う事で代謝が上がりますが、大きい筋肉を使えば使うほどその効果は高いので下半身のトレーニングによって代謝の大幅アップを期待できるといえます。
また、筋肉量が増える事で基礎代謝(1日安静状態でも消費するカロリー)も増えるのでダイエットの強い味方になるでしょう。
スクワットでは下半身の筋肉をフルに使うのでこれらの事が当てはまりますので最強トレーニングと言えます。
また、筋トレでは筋肉の伸び縮みが行われるため柔軟性が上がるので怪我の予防や疲れにくい体作りもできます。
スクワットで使うポステリアルチェーンとは?
スクワットは股関節の伸展を行う筋群であるポステリアルチェーンを鍛える最大のトレーニングです。
ポステリアルチェーンとはハムストリング、大臀筋、内転筋の連鎖のことですが、正しいスクワットをすればその筋肉に効きますが、ほとんどの場合腿前の筋肉である大腿四頭筋が辛くなり激しい筋肉痛がそこにくることが多いです。
スクワットのボトム(しゃがんだ一番下の位置)から起き上がる時には股関節の伸展だけでなく、膝関節の伸展も行われます。
膝関節の伸展は大腿四頭筋のみができるのでスクワットで腿前を使いやすいのは理にかなっています。
ポステリアルチェーンを全てうまく使えたらそれぞれの筋肉に力が分散するので、大臀筋だけががんばるという状態はなくなります。
理想のスクワットは下半身全体の筋肉に負荷が分散し、全ての筋肉がフルに使える状態を作るところにあります。
3種目のスクワットについて
今回はパワーラックを使ったフリースクワットで解説させていただきます。
まず、バーベルを担ぐ位置についてですが、スクワットは大きく3つに分かれます。
①フロントスクワット
ポイント
バーを胸の上で担ぎます。ウエイトが重心の前にくるため、股関節の角度が一番開いた状態で行うことになり、ボトムの位置でハムストリングは収縮しているので反射が起こらないため、主に大臀筋・大腿四頭筋を使ったスクワットになります。
②ロウバースクワット
ポイント
バーベルを体の後ろの肩甲棘の真下にセットします。
股関節の角度が閉じるので一番ポステリアルチェーン全体をうまく使えるスクワットになります。
なので、一番大きな重量をあげることができるスクワットと言えます。
③ハイバースクワット
ポイント
①と②の間の位置にバーがあり、一般的に行われるスクワットです。
スクワットを始めたばかりの場合はハイバースクワットでまずフォームを作っていきましょう。
正しいフォームの解説!
今回はハイバースクワットで解説させていただきます。
スクワットのやり方手順1まずは最初のポジション作りからです。
手首が折れないようにするためにサムレスグリップで行います。高重量を扱うと手首が折れてしまい痛める可能性があるからです。
手首が折れなければサムアラウンドグリップでも大丈夫です。
手幅は狭い方が胸椎ががっちり固まりますが、肩関節が固い方はやりやすい手幅に設定しましょう。
バーを担いだら、足幅の設定です。
スクワットのやり方手順2
踵を肩幅に合わせてつま先を約30°開きます。
次に、つま先が向いている方に膝を曲げていきしゃがみこんでいきます。
重量が大きくなるほど、膝が内側に入りやすくなりますが、これは内転筋がストレッチに負け始めるからです。膝が内側に引っ張られる力に負けないように足を外旋させ膝を開いた状態をキープしましょう。

ふわっと下にしゃがんでしまうと下半身の負荷が一瞬抜けてしまうので「減速しながら下がる」意識を持ちましょう。
メモ
筋肉はゴムチューブと似ていて、伸びて緊張した筋肉は、強く戻ろうとする働きがあるのでスクワットのボトム位置では下半身に弾性エネルギーが溜まりバーベルを上に強く押し返す事ができます。
スクワットのやり方手順3
ボトム位置から上がるときはまずシンプルにお尻を押し上げる意識を持ちましょう。
意外と多いのはボトムから脊柱を屈曲させて背中を反りながら上がろうとしてしまうパターンです。
そうなると、負荷は大腿四頭筋と腰にのりやすくなるため一番効かせたいハムストリングやお尻に効きにくくなってしまいます。
写真左のように腰はまっすぐにした状態でボトムから押し上げれば自然とハムストリングとお尻に効かせられるフォームになります。
あとは、膝関節と股関節を同時に伸展していきトップ位置に戻ります。
よくみられるバッドフォーム
特に高重量になるにつれてフォームの乱れがみられる事が多くなりますが、特に多いパターンを2つ紹介します。
●膝がボトム位置で内側に入る
ボトムから上に上がる時に膝が内側に入ることがあると思います。
内転筋は骨盤の下の方から大腿骨の内側に何本か付いています。
膝を開きながら骨盤を下げていくと、この内転筋の起始停止が離れていき内転筋が伸びていきますが、この筋肉の柔軟性が低いと起始停止が離れていくのを嫌がり、膝が内側に入ってしまうのです。
また、膝が内側に入る=大腿骨は内旋してしまうので、大腿骨の外旋筋である大臀筋の作用が弱まってしまいますので、ポステリアルチェーン全体を使えないことになってしまいます。
●バッドウインクがでる
バッドウインクとは、スクワットのボトム位置で骨盤が後傾してしまうことです。
ハムストリングや臀筋が固い(使えていない)と起こりやすいですが他に、トップの位置からしゃがみ始める時に膝をあまり曲げず、股関節から下に下ろすフォームによくみられます。
ですので、膝関節と股関節は同時に曲げていくようにしましょう。

まとめ
スクワットを正しいフォームでやると、自分の体の弱点がでてきます。
その弱点を強化するために何が必要なのか...といった形で、スクワットを軸にして姿勢改善を行うこともできます。
スクワットは多関節運動なので、より難しく、より重要なトレーニングなので今一度、フォームを見つめ直して強化していきましょう。
また、スクワットでは重くなるほどフォームが崩れてしまうので怪我を防止するためにパワーベルトを使うことをおすすめします。
パワーベルトを巻くことで腹圧が高まり、腰部が安定するため力が出るし、怪我が防げるため私も使っています。
安いベルトでも十分効果はあるのでつけることをおすすめします。