最近話題の美尻トレで、メディアでよく見かけるヒップスラストです。
なぜこの種目が尻トレの代表的存在なのか。
どんな人に向いているのかなど、また正しいヒップスラストのやり方について解説していきます。

ヒップスラストで得られるものとは?
ヒップスラストは股関節伸展の収縮種目です。
簡単に言えば、スクワットやデッドリフトに動作自体は似ていて、スクワットでいうボトム位置からトップ位置に上がる時の股関節の使い方です。
ですので、スクワットの記事でも紹介させていただいたポステリアルチェーン(股関節伸展筋群)に直接ウエイトをつけてできる最大のトレーニングということになります。
鍛えられる筋肉は、主にお尻の筋肉(臀筋群)になりますので、ほとんどの人が日常的にうまく使えていない筋肉のトレーニングですからかなりオススメになります。
また、身体の筋肉の70%を占める下半身トレーニングになるため、この運動自体でも大きな消費カロリーが見込めるのに加えて、代謝の大幅アップも期待することができます。
なぜヒップスラストが美尻トレで大人気なのか?
たくさんの種類のお尻トレーニングがあるなかで、なぜヒップスラストが特に人気な種目なのか?
お尻は大きく分けて、大臀筋、中臀筋、小臀筋と3つに分けることができます。
まず、それぞれの作用に付いて解説していきます。
股関節の動きに付いてのイラストを見ながら読み進めてください。

大臀筋の作用
解説
大臀筋は主に、股関節伸展、外旋、外転、内転に作用します。
お尻の筋肉の中で一番大きい筋肉で一番外側に付いています。
ざっくり、大臀筋は足を前に振り上げる動作と後ろに蹴る動作が主な働きというイメージで大丈夫です。
中臀筋の作用
解説
中臀筋は主に、股関節外転、内旋、外旋にに作用します。
大臀筋の深部にあり、片足立ちで左右に倒れないようにバランスをとる筋肉です。
高齢者が歩行の時に左右に大きく揺れ動くのはこの中臀筋が弱い場合に多く見られます。
ざっくり、中臀筋は足を左右に動かす働きがあるイメージで大丈夫です。
小臀筋の作用
解説
小臀筋は主に股関節外転、内旋、外旋に作用します。
中臀筋と同じ作用で、中臀筋よりもさらに深部にある小さい筋肉です。
ヒップスラストは、これらの三つの筋肉を全てまとめて鍛えることができるためそれも人気の秘訣となります。
これらの臀筋がうまく作用しないと、股関節の屈曲が制限されてしまい、しゃがむ動作や中腰の姿勢がとりにくくなります。
その結果、代わりに腰部を伸展・屈曲させて動作を補うので腰痛の原因になるパターンもあるのです。
また、人気の秘訣として「お尻の形がよくなる」「お尻が上がってエロさがでる」「身体の中で一番大きい筋肉が臀筋なので消費カロリーが大きい」などと尻トレはメリットが多いからなんです。

正しいフォームの解説(動画あり)
ヒップスラストのポイント・注意点
◇足の位置はトップ位置で90°になるところにおく
足を前に出しすぎるとお尻から腿裏に負荷が逃げてしまい、
足を近づけすぎるとお尻から腿前に負荷が逃げてしまいます。
◇バーベルを股関節にしっかり固定する
脚の付け根やお腹に重たいバーベルを置くと痛みがあるため骨盤の上にしっかり固定します。
◆腰を反らない
腰を反れば腰痛を起こしてしまう可能性があるのに加えて、お尻の負荷が腿前に逃げてしまうため、トレーニング効果が薄れてしまいます。
◆膝を閉じず、開き過ぎず
膝が内側に入ればうまく大臀筋が働かなくなり、開きすぎると過剰に腿の外側の筋肉を使うことになります。
まとめ
ヒップスラストは高重量を扱える最大のお尻トレーニングです。
ですので、ヒップスラストではどんどん重たいウエイトを扱えるように鍛えながら、サブでヒップアブダクションなどの単関節運動を行うようにしましょう。
ほとんどの人がはじめはお尻や腿裏をうまく使えないのでまずは軽い重量から少しずつ鍛えていきましょう。
