今回は五大栄養素の一つであるビタミンについて詳しく解説させていただきます。
ダイエットや筋肉をつけたい場合に、よくあるのがカロリーに大きく関わる三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)に注目しすぎてビタミンやミネラルを欠乏してしまうパターン。
人間の体に欠かせない部分であり、ダイエットや育筋をスムーズに進めるものでもあるため、その重要性がこの記事で理解していただけるといいと思います。
この記事を読むと
①それぞれのビタミンについて詳しく知ることができる
②ビタミンの大切さを知り、ビタミンによって得られるものがわかる
2種類のビタミンが存在する!
まずビタミンは主に身体を調節する役割があります。
健康を維持する働きとも言えます。
ビタミンの必要量自体は少ないですが、体の中ではほとんど作ることができないので食べ物やサプリメントから摂取する必要があるのです。
次に2種類のビタミンについて。
脂溶性ビタミン
ビタミンD・A・K・Eの4種類です。

脂溶性ビタミンはその名の通り油で炒めたり脂を一緒に摂取することで吸収率が高くなります。
過剰に摂取した場合は尿で排泄されないので人体に影響を及ぼす可能性がありますので注意してください。
ここからはそれぞれのビタミンごとの特徴を解説していきます。
◉ビタミンD
●働き
・骨や歯の健康維持
・筋力維持
・カルシウムとリンの吸収を促進
●解説
正常な骨格と歯の発育促進効果がある。
神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う働きがある。
日光に当たることでビタミンD産生能力が高まる。
●多く含む食品
・きのこ類(きくらげ、しめじ、しいたけ)
・魚介類(あんこう、いわし、にしん、さけ、さば、ちりめんじゃこ)
・卵黄
※熱と光に弱い
◉ビタミンA
●働き
・疲れ目、とり目の予防(視力の低下を防ぐ)
・皮膚や爪の健康維持
・免疫維持
・感染症予防
●解説
薄暗いところで視力を保つ働きがある。
最近ではレチノールが上皮細胞で発がん物質の効果を軽減すると言われている。
●多く含む食品
・豚
・鶏レバー
・うなぎ
・乳製品
・卵
・にんじん
・かぼちゃ
※熱と光に弱い
◉ビタミンK
●働き
・骨の再石灰化
・血液凝固作用(止血に役立つ)
●解説
カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用がある。
体内で合成されるため不足は稀になる。
●多く含む食品
・春菊
・キャベツ
・緑茶
・緑黄色野菜
・納豆
・肉類
・乳製品
・卵
※光に弱い
◉ビタミンE
●働き
・血管や細胞の老化防止
・美肌効果
・疲労改善
・更年期障害の軽減
・ホルモン分泌を円滑にする
●解説
過酸化脂質の生成を抑制し血管を健康に保つほか、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の破壊を防いだりする作用がある。
不足すると血行が悪くなり冷え性や頭痛、肩こりなどが起こりやすくなる。また、抗酸化力が低下するため肌を紫外線などの刺激から守りにくくなりシワやシミができやすくなる。
●多く含む食品
・ナッツ類(アーモンド等)
・かぼちゃ
・うなぎ
・大豆
・緑黄色野菜
※光に弱い
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは尿などから体の外への排泄がされやすいため過剰摂取になりにくいです。
また水に溶けやすく水洗いや加熱調理による損失が大きい。
ゆで物や煮物よりも蒸し物や炒め物の方が損失が少ないです。
◉ビタミンB1(チアミン)
●働き
・糖質からエネルギーを作り出すことを助ける
・神経の機能を正常に保つ
●解説
ビタミンB1は不足すると糖質がうまくエネルギーにならないため食欲が無くなったり、疲れやすい、だるいなど、夏バテのような症状になり、不足すると脚気になりやすい。
取りすぎによる過剰症の心配はほとんどない。
●多く含む食品
・豚肉(脂の少ないヒレやモモが特に多い)
・玄米
・枝豆
・豆腐
・そば
※熱に弱い
◉ビタミンB2(リホフラビン)
●働き
・脂質の代謝を助ける
・動脈硬化やろうかを進行させる過酸化脂質の分解に役立つ
・皮膚、爪、毛の成長を促す
●解説
取りすぎによる過剰症の心配はほとんどない。
不足すると口内炎、口角炎、舌炎、角膜炎などを起こす。
●多く含む食品
・魚介類
・レバー
・藻類
・卵
・牛乳
・緑黄色野菜
※光に弱い
◉ビタミンB6(ピリドキシン)
●働き
・たんぱく質の代謝に役立つ
・神経の機能を正常に保つ
●解説
補酵素(酵素の働きを助ける成分)として多くのアミノ酸の代謝を助ける。
赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用もあり、脂質の代謝にも関与している。
●多く含む食品
・魚介類(まぐろ、さんま)
・バナナ
・肉類(ヒレ肉、ささみなどの脂が少ない部位)
・パプリカ
・さつまいも
・玄米
※光に弱い
◉ビタミンB12
●働き
・赤血球の生成を助ける(造血)
・神経の機能を正常に保つ
・代謝促進
●解説
不足すると赤血球が減ったり悪性の貧血がみられる。
過剰症の心配はない。
胃や腸を手術で切除した場合などビタミンB12の吸収に問題がある人、動物性食品をあまり食べない人、菜食主義の人は不足しやすい。
●多く含む食品
・しじみ
・あさり
・豚レバー
・魚介類
・牛乳
・卵
※光に弱い
◉ナイアシン
●働き
・美肌効果
・血行促進
・二日酔い防止
・糖質、脂質、たんぱく質の代謝に役立つ
●解説
体内でトリプトファンという必須アミノ酸からも合成することができこれをナイアシンとして利用している。
不足が進むとペラグラ - Wikipediaという欠乏症になる。
●多く含む食品
・レバー
・まいたけ
・たらこ
・魚介類
・肉類
◉パントテン酸
●働き
・免疫力の向上
・抗ストレス作用
・糖質、脂質、たんぱく質の代謝に役立つ
・美肌効果
●解説
パントテン酸の名前は広くどこにでもあるという意味があり、動植物食品に広く含まれる。過剰症の心配はほとんどない。
●多く含む食品
・レバー
・納豆
・魚介類
・肉類
・卵
・アボカド
※光に弱い
◉葉酸
●働き
・造血作用(ビタミンB12と協力)
・核酸合成(細胞を作る)
・口内炎予防
●解説
妊娠初期の女性が十分な葉酸を摂取すると、胎児において神経管閉鎖障害という病気のリスクを軽減する。
脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患を防ぐ。
●多く含む食品
・レバー
・枝豆
・モロヘイヤ
・ほうれん草
・ブロッコリー
・いちご
・藻類
・納豆
・魚介類
・肉類
※光に弱い
◉ビオチン
●働き
・糖質、脂質、たんぱく質の代謝に役立つ
・皮膚の機能を保持する
・筋肉痛の緩和
●解説
皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康に深く関わっている。
不足するとアトピー性皮膚炎や脱毛などの症状や食欲不振、うつなどの症状が現れる。
●多く含む食品
・ナッツ類(落花生)
・大豆
・カレイ
・きのこ類
・卵黄
・魚介類
※熱に弱い
◉ビタミンC
●働き
・美肌効果
・疲労回復
・コラーゲンの生成促進
・抗ストレス作用
●解説
人はビタミンCを体内で合成できないため食事から摂取しなければならない。
骨や腱などの結合たんぱく質であるコラーゲンの生成に必須の化合物。
不足すると血管がもろくなり出血を起こす。(壊血病)
日焼けを防ぐ作用や、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きがある。
●多く含む食品
・レモン
・いちご
・じゃがいも
・アセロラ
・野菜(ピーマン、キャベツ、ブロッコリー)
・芋類
・緑茶
※熱と光に弱い
〜まとめ〜
脂溶性ビタミンは、脂(油)に溶けやすく過剰摂取はNG!
水溶性ビタミンは、水に溶けやすく尿などから体外に排泄されやすいので過剰摂取の心配はほとんどなし!
ほとんどのビタミンに出てくる
・肉類
・魚介類
・きのこ類
・卵
・緑黄色野菜
・乳製品
がやはりビタミン豊富で積極的にとるべき食材であることがわかりますね。
その他、サプリメントから摂取する方法もありますが、基本は食事からとり、足りないところをサプリメントで補う形にしましょう。
